公開日:2016年09月14日 更新日:2024年01月12日
SUSねじにもいろいろあるのです【第5話】
こんにちは。ネジゴンだよ。
ステンレスねじの鋼種といえばSUS304やSUSXM7が一般的だけど、それ以外にもさまざまな鋼種のステンレスがあって、それぞれに特長があるんだ。ステンレスねじの鋼種を変えるだけで、みんなの課題が解決できるかもしれないよ。そう願って今日は、ねじに使用される、主なステンレスの種類について解説するよ。
耐蝕性にすぐれるオーステナイト系ステンレス
主成分にクロムとニッケルを含むステンレスで、耐蝕性にすぐれていることが主な特長だよ。ねじに使用される主なオーステナイト系ステンレスを以下に解説するね。
SUS304・SUSXM7
SUS304は最も標準的なオーステナイト系ステンレスなんだ。それに銅を添加し、冷間加工性を向上させたものがSUSXM7だよ。一般的にオーステナイト系ステンレスは非磁性と言われているけれど、SUS304は冷間加工に伴って磁性を帯びやすい材質なんだ。
磁石にはくっつかないけれど、磁性に対してシビアな装置の場合は注意が必要だね。
>>材質による磁性の比較
SUS310S
SUS304よりもクロムとニッケルの含有量が多く、耐熱性、耐酸化性にすぐれたオーステナイト系ステンレスだよ。
SUS316L
ニッケルとクロムの他にモリブデンを添加したオーステナイト系ステンレスだよ。ステンレスの耐蝕性は表面の酸化皮膜(以下、不動態被膜と言うよ)によるものだけど、モリブデンは、この不動態被膜が破壊された際の自己修復機能を高める効果があるから、SUS304よりも耐蝕性が高いんだ。
ちなみに末尾の「L」はLow Carbon(低炭素)の意味で、炭素量を少なくすることでSUS316の弱点である耐粒界腐蝕*性が向上されているんだ。
SUS316L HiMo
鉄鋼ねじの強度区分10.9と同等の強度を持つオーステナイト系ステンレスだよ。さらにSUS316Lよりも耐蝕性・耐熱性が高く、非常にすぐれたステンレスだけど、高価なことがネックなんだ。
強度が高く、磁性検出が可能!フェライト系ステンレス
マルテンサイト系ステンレス
SUS410を代表とするマルテンサイト系ステンレスはオーステナイト系と比較して、耐蝕性は劣るものの、熱処理して硬化させることができることが最大の特長だよ。
その特長を生かして、ねじ以外に刃物や工具にもよく使用されるんだ。
フェライト系ステンレス
フェライト系ステンレスは、耐蝕性・強度の面で、オーステナイト系とマルテンサイト系の中間に位置するよ。フェライト系ステンレスもマルテンサイト系同様に磁性があるんだ。脱落したねじが商品に混入した場合でも磁性検出が可能で、さらにマルテンサイト系よりも耐蝕性が高いから、食品機械などに有効だね。
代表的な鋼種としてSUS430があるよ。
オーステナイト系とフェライト系のいいとこ取り!二相ステンレス
二相ステンレスとは、オーステナイト相とフェライト相の2つの組織が混在したステンレスで、オーステナイト系とフェライト系それぞれの
特長をあわせ持つ、強度・耐蝕性にすぐれたステンレスなんだ。
>>二相ステンレスねじの機械的性質
応力腐食割れに強くて、塩化物に対する耐蝕性が特にすぐれているから、化学プラントや海洋機器に広く使用されているよ。
ステンレス以外にも、ねじにはさまざまな材質があって、それぞれに特長があるんだ。それらについても、またの機会に解説するね。
本日は、これにてご無礼するよ。