公開日:2015年11月06日

Vプーリーの設計資料・Vベルトの選定ポイント

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設計資料 (Vプーリー)

設計手順と選定例

適正なプーリーを選定するために、下記の設計手順に従って計算してください。
なお、商品一覧ページでは選定ナビもご利用いただけます。 → 商品一覧ページ

senteinabi

設計手順

選定例

  • 原動機:出力2.2kW
              標準モータ(4極、60Hz)、1750min-1
              軸径およびキー:φ28、8×7
  • 従動機:ファン、725min-1、1日8時間運転
              軸径およびキー:φ32、10×8
  • 軸間距離:約620mm

設計動力の計算

負荷補正係数Ko表1より選び、公式一覧のNo.1から設計動力を求めてください。
Pd = PN・Ko
Pd : 設計動力(kW)
PN : 伝動動力(kW)
Ko : 負荷補正係数 表1
なお、伝動動力がトルクあるいは馬力で表示されている場合はkW単位に換算してください。

設計動力の計算例

表1より、
負荷補正係数 Ko = 1.1
したがって、
設計資料(Vプーリー)
となります。

ベルトの種類およびプーリーの溝の形の選定

高速軸回転数(=小プーリー回転数)と設計動力より、ベルトの種類を選びます。表2 表3 表4 表5 に示すベルト選定表より使用ベルトを選んでください。
なお、プーリーの種類は表6、環境・コストなどを考慮して最適なプーリーを選んでください。

ベルトの種類およびプーリーの溝の形の選定例

高速軸回転数は1750min-1、設計動力は2.42kWであるから、表2よりAおよびAXが選定されます。
ここでは、
  JIS Vプーリー
  A(ラップドタイプ一般用Vベルト、スタンダード)
を使用することにします。

 

回転比の計算

公式一覧のNo.2から回転比を求めてください。
設計資料(Vプーリー) 
n1: 高速軸回転数(小プーリー回転数(min-1))
n2: 低速軸回転数(大プーリー回転数(min-1))
D : 大プーリー(mm)表7
d : 小プーリー(mm)表7

回転比の計算例

小プーリーの回転数は1750min-1、大プーリーの回転数は725min-1であるから、
設計資料(Vプーリー) 
となります。

 

プーリーの組み合わせの選定

①求めた回転比iに最も近い値となる組み合わせを寸法表から選んでください。同一回転比でプーリーの組み合わせが複数ある場合は、プーリーの外径やリム幅の制限、軸間距離、コストなどを考慮して最適なプーリーの組み合わせを選んでください。
なお、小プーリーは、表8に示す最小プーリー呼び径、または、原動機にモータを使用する場合は表9に示すモータ適用最小プーリー呼び径のいずれか大きい方の呼び径以上で使用してください。

②ベルト速度を公式一覧のNo.3 により求め、表10に示す最高ベルト速度以下であることを確認してください。この速度を超える場合はプーリー径を小さくして選定しなおしてください。
設計資料(Vプーリー)
V : ベルト速度(m/s)
D1: 大プーリー(mm)表7
d1: 小プーリー(mm)表7
n1: 小プーリー回転数(min-1
n2: 大プーリー回転数(min-1
Vmax.: 最高ベルト速度(m/s)表10

プーリーの組み合わせの選定例

①JIS Vプーリーの寸法表から、回転比2.41のプーリーの組み合わせは、
  83と200
  88と212
  93と224
などがあります。
表8よりAの最小プーリー呼び径は67mm、表9より2.2kW、1750min-1のモータ適用の最小プーリー呼び径は63mmであるから、プーリーの組み合わせは、
  小プーリー:88-A
  大プーリー:212-A
となります。

②小プーリー88-Aの呼び径は88mm、回転数は1750min-1であり、最高ベルト速度は表10より30m/sであるから、
設計資料(Vプーリー)
となります。

使用ベルト品番および軸間距離の選定

公式一覧のNo.4から概略ベルト長さを計算してください。
設計資料(Vプーリー)
L: 概略ベルト長さ(mm)
C: 軸間距離(mm)
D1 : 大プーリー(mm)表7
d1 : 小プーリー(mm)表7
【SPプーリー(SPZ・SPA・SPB・SPC)で、一般用Vベルト・SPベルトを使用する場合】
D1 : 大プーリーデータム径(mm)
d1 : 小プーリーデータム径(mm)
【SPプーリー(SPZ・SPA・SPB・SPC)で、細幅Vベルトを使用する場合】
D1 : 大プーリー外径(mm)
d1 : 小プーリー外径(mm)

②概略ベルト長さから、ベルト呼び番号を公式一覧のNo.5で求めます。
つぎに表11に示すベルト一覧表から①で求めたベルト呼び番号に最も近いベルトを選びます。そのベルト長さは公式一覧のNo.5で求められます。
設計資料(Vプーリー)
#s: ベルト呼び番号(一般用Vベルト)
L: ベルト長さ(mm)

③②で求めたベルト長さより、軸間距離を公式一覧のNo.6から計算してください。
設計資料(Vプーリー)
B = L-1.57(D1+d1
L: ベルト長さ(mm)
C: 軸間距離(mm)
D1: 大プーリー(mm)表7
d1: 小プーリー(mm)表7
【SPプーリー(SPZ・SPA・SPB・SPC)の場合】
D1 : 大プーリーデータム径(mm)
d1 : 小プーリーデータム径(mm)
【SPプーリー(SP8V)の場合】
D1 : 大プーリー呼び径(mm)
d1 : 小プーリー呼び径(mm)

*計算値に表17の値を加えて軸間距離を補正してください。

使用ベルト品番および軸間距離の選定例

①大プーリー212-Aの呼び径は212mm、小プーリー88-Aの呼び径は88mm、概略軸間距離は620mmであるから、
設計資料(Vプーリー)
となります。

②概略ベルト長さは1717mmであるから、
設計資料(Vプーリー)
となります。したがって表11から、
  A-68
が選定されます。この場合、
  ベルト長さ L = 68×25.4 = 1727mm
です。

③A-68(ベルト長さ1727mm)のベルトを使用するとき、
  B = 1727 - 1.57(212+88) ≒ 1256mm
であるから、
設計資料(Vプーリー)
となります。

 

プーリー溝本数の計算

公式一覧のNo.7から基準伝動容量および付加伝動容量を計算してください。
設計資料(Vプーリー)
Pr : 基準伝動容量(kW)
Pa : 付加伝動容量(kW)
d : 小プーリー(mm)表7
n1’: 高速軸回転数 n1×10-3(min-1
  (小プーリー回転数)
C1・C2・C3・C4: 定数 表13

公式一覧のNo.8から接触角を計算してください。
設計資料(Vプーリー)
θ : 接触角(°)
D1 : 大プーリー(mm)表7
d1 : 小プーリー(mm)表7
C : 軸間距離(mm)

公式一覧のNo.9から補正伝動容量を計算してください。
Pc = KL・Kθ(Pr+Pa
Pc :補正伝動容量(kW)
KL :ベルト長さの補正係数 表14
Kθ:接触角補正係数 表12
Pr :基準伝動容量(kW)
Pa :付加伝動容量(kW)
なお、ベルト長さの補正係数は表14から、接触角補正係数は表12からそれぞれ選んでください。

④これまでの計算結果をもとに公式一覧のNo.10から溝本数を計算してください。
数値は小数第1位を切り上げて整数とします。
設計資料(Vプーリー)
Z :溝本数(本)
Pd :設計動力(kW)
Pc :補正伝動容量(kW)

プーリー溝本数の計算例

①小プーリー88-Aの呼び径は88mm、回転数は1750min-1であるから、
  基準伝動容量 Pr ≒ 1.19kW
  付加伝動容量 Pa ≒ 0.22kW
となります。

②大プーリーの呼び径は212mm、小プーリーの呼び径は88mm、軸間距離は625mmであるから、
設計資料(Vプーリー)
となります。

③ベルトの呼び番号はA-68であるから表14より、
  ベルト長さの補正係数 KL = 1.00
接触角は169°であるから表12より、
  接触角補正係数 Kθ= 0.98
したがって、
設計資料(Vプーリー)
となります。

④設計動力は2.42kWであるから、
設計資料(Vプーリー)
小数第1位を切り上げて、
  プーリー溝本数 Z = 2本
となります。

 

 

まとめ

最後に、プーリーの寸法表により、選定したプーリーの最大軸穴径が原動側・従動側の軸穴の条件を満足することを確認してください。満足しない場合は、より大きいプーリーの組み合わせを選定してください。
なお、ベルトの取りつけおよびベルトの伸びしろを考慮して、軸間距離の調整しろが必要です。軸間距離の最小調整範囲は表15を参照してください。
公式一覧のNo.11 - No.15からプーリー伝動に必要な技術計算ができます。ご利用ください。

まとめ

以上をまとめると、
  小プーリー(原動側)--- 88-A-2
  大プーリー(従動側)--- 212-A-2
  ベルト------------------- ラップドタイプ
            一般用Vベルト A-68、2本
  軸間距離----------------- 625mm
となります。
また表15より、
  軸間距離の最小調整範囲は、内側へ20mm、外側へ50mm
となります。

なお、スパン長さ・初張力・たわみ荷重・たわみ・静軸荷重はつぎのとおりです。
  スパン長さ Ls :622mm
  初張力 Fo :114N
  たわみ荷重 Fδ :11.6N
  (新しいベルトを張るとき)
  たわみ δ :10mm
  静軸荷重 Fr :678N

 

senteinabi

選定方法 プーリー・シーブ
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