更新日:2024年01月10日
耐蝕目的だけじゃない。機能的なねじの表面処理【第3話】
こんにちは。ネジゴンだよ。
みなさん、ねじの表面処理にはどんなものがあるかご存じかな?
代表的なものでユニクロメッキやニッケルメッキなど、主に耐蝕を目的としたメッキがあるよね。
でも、「第1話“かじり”について考える」で解説した、かじり防止目的の表面処理のように、耐蝕目的以外にも、さまざまな表面処理があるから、紹介するね。
反射防止を目的とした表面処理「ステンレスブラック」
名前の通り、ステンレス表面の不動態皮膜を通常の200倍まで成長させて、深い黒色に仕上げる表面処理だよ。
分光反射率が1.5%以下と極めて低いから、乱反射防止が要求される光学機器に最適だね。


また、耐蝕性もすぐれていて、SUS304の32倍、SUS316Lと比較しても8倍の耐蝕性があるんだ。
>>ステンレスブラックの耐蝕性の比較
さらに、皮膜に不純物が含まれていないから、真空環境下でのアウトガスが微量で、真空装置にも使用できるんだ。
かじり防止だけじゃない。薬品にも強いPTFEコーティング
表面処理がかじり防止に効果的なことは「第1話“かじり”について考える」で紹介したよね。
その中でも、PTFEコーティングは、かじり防止の効果がかなり高い表面処理なんだ。
>>表面処理の違いによる軸力の比較
でも、PTFEコーティングの性能はそれだけじゃないよ。
実は、耐薬品性にもすぐれた表面処理なんだ。
>>PTFEコーティングの耐薬品性

装飾目的の表面処理あれこれ
表面処理には装飾を目的としたものもあるよ。
金メッキ
名前の通り、材料の表面を金で覆う表面処理だよ。
金は酸化しにくい物質で、外観が変化しにくいから、装飾用として多く使用されるんだ。
また、装飾以外でも、電気や熱の伝導性が良いという特性を生かして、電子部品などにも多く用いられているよ。
クロムメッキ
光沢があり、硬度が高いため耐摩耗性にすぐれていて、長期間装飾性を維持できる表面処理だよ。
カラーアルマイト
カラーアルマイトとは、通常のアルマイト処理でできる表面の微細孔に染料を浸透させ、着色する表面処理だよ。
アルマイト処理はメッキと異なり、アルミの表面に酸化皮膜を生成する表面処理のため、メッキのような剥がれの心配がほとんどないんだ。
また、おもしろい表面処理が見つかったら紹介するね。
本日は、これにてご無礼するよ。